保護活動

サバ美、さくら猫になる

リスザル問題が解決した後に、僕たちが取り掛かったのはサバ美の捕獲だった。

サバ美もメスなので早めに手術したかったのだが、リスザル一家に翻弄されてそれどころではなかったというのが正直なところ。

むしろ不妊手術を後回しにして申し訳なかったと思っていたくらいだが、姉御は少し気がかりなことがあったらしい。

それは、ここ数か月ほどサバ美の出現頻度が大幅に下がっていたことで、もしかしたら子猫を産んでいるのではないかということ。

しかし、僕たちだけではなく姉御もサバ美のお腹が大きい状態を見ていないので、子猫を産んでいるとは思えなかった。

僕たちは特に深く考えることなく、ある日サバ美を捕獲してそのまま不妊手術を済ませた。

次の日にはリリースも終えたので、サバ美問題はあっさりと片付いたハズだった。

しかし、不妊手術を終えたサバ美は、どういうわけだか手術前よりも頻繁に駐車場へご飯を食べにくるようになったのだ。

姉御によると去勢・不妊手術後の猫は食欲が増すらしいので、サバ美もきっとそれだろうと説明してくれた。

なので、僕たちは手術後も深く考えることなく、サバ美にご飯をたっぷりとあげて食欲を満たしてあげられるよう、いつもより多めにご飯を置くことにした。

こうしてサバ美の不妊手術を終えたのだが、それから1週間ほど経ったころ、他のお客さんから子猫の目撃情報を聞くことになる。

僕たちが目にしているメス猫はひと通り不妊手術を終えたはずなので、子猫の目撃情報があるのは少しおかしい気がする。

もしかしたら僕たちが知らないメス猫が駐車場に流れてきて出産したのかもしれない。

それとも他のお客さんの目撃情報は、リスザル一家がまだ居たころと時期を勘違いしているだけの可能性もある。

いずれにしても子猫がいるなら、産んだ母猫も絶対にいるはずだ。

もし本当に母猫が新たに流れてきているなら、何とかして不妊手術を済ませたいと考えていた。

そんなある日、ひょんなことから母猫の正体が明らかになるのだった。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました