リスザルの捕獲に挑み始めた僕たちだったが、想像以上の苦戦を強いられることになる。
本来なら2~3日もあればターゲットの猫を捕獲できていたのだが、リスザルに至っては挑戦開始から1か月近くが過ぎても捕獲することができていなかった。
その理由は、あまりにもリスザルが賢いからだった。
まず捕獲機についてだが、一般的な踏板式で猫が捕獲機の奥に到達すれば、入口が閉まって捕獲成功という流れになる。
細長い形状になっているので猫が入りやすく、奥に猫が好きなササミやチュールを置いておけば、あっという間に捕獲できる優れモノだ。
しかし、リスザルは捕獲機の中央まで到達すると、器用に首を伸ばして最奥にあるササミを咥えて捕獲機を出てしまう。
つまり、捕獲機の奥まで入って踏み板を踏んでしまうと、入口が閉まる仕組みが分かっているのだ。
猫がそこまで賢いとは思わないが、何度挑戦してもリスザルは捕獲機の中央まで入ってはお目当ての物を咥えて出てきてしまうので、本能的に捕獲機の奥が危険だと察知しているのかもしれない。
どうしても捕獲が上手くいかないので、僕たちは捕獲機に置くオヤツを様々に変えてみた。
刺身、焼き魚、魚肉ソーセージ、果ては唐揚げやハムのような人間用の匂いの強いものまで…
しかし、どんな物を捕獲機の奥に置いても、リスザルは捕獲機の中央まで進むと器用に引き返してしまうのだった。
このまま捕獲が上手くいかなければ。成長したコリスが親離れしてしまい、リスザルが再び発情期を迎える危険性すらある。
そこで、僕たちはリスザル捕獲のための最終手段を講じるのだった。
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