保護活動

トラちゃんが産んだ子猫はコトラちゃんも含めて全員が行方不明になってしまった。その現実に直面した僕たちは、もしトラちゃんを保護して出産させていたらという後悔を強く抱くのだった。

遊ぶことと食べることが大好きなトラちゃんは見ているこちらが心配なほど子育ての形跡が無かった。元気なコトラちゃんを見かけた日だけが僕たちにとって安心を実感できるひと時だった。

少なくとも3匹は出産したであろうトラちゃんだったが、生き残った子猫はコトラちゃん1匹だった。野良の世界は外敵も多く過酷で子猫が生き抜くのは難しいことだと実感したのだった。

トラちゃんが産んだコトラちゃんは、トラちゃんにそっくりの可愛いキジトラの子猫だった。しかし性格までは似なかったのか、人に対する警戒心の強い子だった。

ある日チャトラが耳に切れ目のようなケガをしていることに気付く。しかしチャトラの耳はケンカによるケガというよりも人為的な何かに見えるのだった。

無事に出産を済ませたトラちゃんは普段通りの日常に戻る。しかし子猫の安否は分からないままで、僕たちの不安は溜まる一方なのだった。