姉御に協力してもらったおかげで、トラちゃんとクロちゃんは無事に手術を終えることができた。
しかし、初めての病院で手術という怖い思いをした2匹が、今まで通りに懐いてくれるかどうか一抹の不安が残る。
もしかしたら、捕獲して病院へ連れていった僕たちのことを恨んでいるかもしれない。
そんな不安を抱えていた僕たちは、手術から3日後にリリースされた2匹と対面した。
お漏らしするほど怖い思いをしたクロちゃんだったが、駐車場に帰ってきてからは手術前と変わらない様子だった。
同じくトラちゃんも手術前とほとんど変わらないように見える。
労いのオヤツをあげてみると、よろこんで食べてくれた。
いつもどおりにスリスリと喜んでくれる2匹を見て、僕たちはほっとひと安心したのだった。
手術前と比べて変わったところと言えば、クロちゃんは右耳に、トラちゃんは左耳に小さなサクラ型のカットが入ったことだろう。
こうして一生に一度の手術を受けて耳カットが入った2匹は、正真正銘の地域猫としてこれからの猫生を送ることになったのだった。
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