保護活動

プロの仕業

駐車場で暮らす猫たちにご飯をあげるようになって早数か月。

トラちゃん・クロちゃん・チャトラの3匹は、すっかり懐いて僕たちを見かけるとご飯やオヤツをねだるようになった。

そんなある日、普段は見かけないような透明なカップが駐輪場の隅に2つ置いてあるのが目についた。

片方はカリカリが大量に入っていて、もう1つは飲み水用なのか水がたっぷりと満たされている。

おそらく誰かが猫たちのために置いたのだろうが、どう見ても素人の手口とは思えない…

今まで猫たちを可愛がっている人を頻繁に見かけていたが、ここまで本格的にご飯を置く人は初めてだった。

いったいどんな人が、猫たちのために用意してくれているんだろう…?

気になった僕はそれから数日間、猫たちと少し長めのスキンシップをとりながら、ご飯置きのプロを探すことにした。

しかし、なかなか例のプロは現れず、ひょっとしたら気まぐれでたまたま置いただけかもしれないし、などと考え始めていたころ、全く予想外の人が大きなバッグからカップとご飯を出すのを発見した。

その正体は、スタイルの良い綺麗なお姉さんで、かなり年齢不詳の怪しげな人だった。

外見からは野良猫の世話をするようなイメージが湧かなかったので、僕と妻はそのお姉さんのことを密かに「姉御」とあだ名をつけて呼ぶことにした。

年齢不詳というのは失礼な表現かもしれないが、おそらく僕たちと同世代だと思われる見た目ながらも若々しく綺麗な人だったので、良い意味で年齢不詳という表現の方が近いかもしれない。

そんな姉御が甲斐甲斐しく猫たちのためにご飯と水を用意しているのは、小綺麗な見た目とはギャップがあり、少し面食らったというのが正直なところだった。

しかし、駐車場で姉御と出会ったことが、今後の僕たちと猫たちの運命を大きく左右することになった…

 

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