駐車場に住む猫たちに懐かれるようになってからというもの、毎日のようにご飯をあげるようになった。
猫たちもご飯をくれる人と認識しているのか、僕と妻の姿を見ると嬉しそうに駆け寄ってくる。
特にトラちゃんとクロちゃんは、まるで飼い猫のように懐いていた。
ここまで懐いてくれたのは嬉しいことだが、心中穏やかでは無い部分もあった。
というのも、やはり野良猫にご飯をあげるのは、気が引ける部分がある。
世間には猫が嫌いな人も少なくはない。
そう考えると、自分が可愛いからという感情だけで、野良猫にご飯をあげるのはエゴというものだろう。
しかし、幸いにも住宅地ではなく(近くに民家はあるが)駐車場なので、いくらか良心の呵責は少なくて済む。
それに、いつもご飯を待っているトラちゃんやクロちゃんのことを考えると、いくら社会のマナーとは言えご飯を止めることはできなかった。
他にもトラちゃんやクロちゃんにご飯をあげている人はいるし、自分たちだけがご飯をあげるのを止めたところで、現状が変わるとは思わなかったのも原因のひとつだった。
結局、これといった解決策を思いつくことはなく、毎日のようにトラちゃんとクロちゃんを可愛がる日々が続いた。
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