近所のパチンコ屋に通っていた僕の目に留まったのは、数匹の野良猫だった。
パチンコ屋に野良猫がいるのは、本当に珍しくない。
多くのパチンコ屋には食堂が併設されているし、野良猫にとっては食べ物に困らない環境だと思うからだ。
なかには、パチンコ屋に来たお客さんが餌をくれることもあるだろう。
だから、僕にとってパチンコ屋の敷地に住みつく野良猫は、ある意味では日常茶飯事とも言えた。
言わば見慣れた光景の野良猫だったが、ひょんなことから保護活動に携わることに。
別に猫が好きなわけでもボランティア精神があるわけでもない僕が、どういうわけだか野良猫と深く関わるようになってしまった。
そのはじまりは、2016年の冬にまで遡る。
もうすぐ2017年を迎えようかという年末の最中に、近所のパチンコ屋の野良猫と出会ったことが運命を変える第一歩になったのだった。
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