毎日のようにトラちゃんにご飯をあげるようになった僕と妻は、いつも一緒にいる黒猫はクロちゃん、チャトラはそのままチャトラと呼ぶようになった。
トラちゃんとクロちゃんは本当に仲良しで、ほとんど一緒に行動していた。
チャトラの方は少し気まぐれで、会うこともあれば会わないこともある、という感じだ。
たまに3匹揃うこともあるが、どちらかというとトラちゃんプラスいずれか1匹、という組み合わせが多かった。
人懐こいトラちゃんは僕たち以外にも、ご飯をおねだりして割と要領良く暮らしていた。
僕と妻も例に漏れずトラちゃんの魅力に取りつかれていたわけだが、トラちゃんの人懐こさが大きく影響を及ぼしたことがもうひとつある。
それは、チャトラも次第に心を開いてきたことだ。
トラちゃんが人にスリスリとおねだりすることで美味しいご飯をもらっているのを目の当たりにして、チャトラも同じようにおねだりするようになってきた。
いわば、チャトラはトラちゃんから学習して、ある意味では生きる術を身につけたことになる。
僕はチャトラが懐いてくれて嬉しく思うのと同時に、学習能力の高さに驚いたのだった。
その一方で、どういうわけだか懐かない猫がいた。
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