保護活動

無意識から認識へ

僕の行きつけのお店には、何匹もの野良猫が住み着いているようだった。

そのお店の駐車場が広いうえに近くには鬱蒼とした雑木林があり、猫にとっては過ごしやすい環境なのかもしれない。

さらに、食べ物に困らないとくれば、野良猫が住み着くのも道理というもの。

しかし、多くのお客さんは駐車場に野良猫が住み着いていても、意に介すことはない。

街中で暮らす野良猫に興味を示す人の方が少数派だからだ。

そしてまた、僕も同じように駐車場に住み着いている野良猫を意識することはなかった。

さて、そんな僕は嫁と一緒に買い物へ出かけることが多かった。

そのお店を選んだ理由は家から近いというただ一点のみだったが、周りには他にも大型のスーパーやドラッグストアもあり、日々の生活の利便性には優れている立地だった。

そんなある日、買い物を終えて帰ろうかと駐車場を歩いていると、物陰にチャトラの野良猫がいるのが目に入った。

嫁「あんなところに猫が…」

僕「何か汚いね。」

嫁「野良猫だしね。」

僕「顔のところケガしてない?」

嫁「ケンカに負けたのかな?」

野良猫を見かけた僕たちは何気ない会話をしながら車に乗り込み、家へと帰った。

この時点ではまだまだ野良猫は僕にとって無意識の存在以外での何物でもなかった。

しかし、ケガをしていたチャトラと出会ったことは、この後に野良猫という存在を日々の中で認識する大きなキッカケとなったのだった。

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